前田青邨の牡丹図 日本画 文京区本駒込より

東京都文京区本駒込のお客様よりご相談でした。

日本画家の前田青邨とは

前田 青邨（まえだ せいそん）は、院展を中心に活躍した日本画家で、早くから高く評価されています。

歴史画・人物画、そして牡丹や梅などの花図など幅広く作品をのこし、安定的に人気があります。

昭和天皇の皇后である、香淳皇后の絵の指南をするなど、天皇家とも所縁が深く、皇居にも勤作が納められています。

平成天皇が会見に使用された「石橋の間」には、その名のとおり能「石橋」を題材とした獅子と牡丹が鮮やかに壁面を飾ります。

掛け軸の査定ポイント

ご紹介の掛軸『牡丹』は、青邨が繰り返し描いたモチーフのひとつです。
仏教では文殊菩薩をメージさせる花として、能「石橋」でも獅子が牡丹に戯れる様子が描かれます。

絢爛さとは一線を画した本作は、青邨らしい美しい描線と、たらしこみの描法で表現され、精神的な神々しさに満ちています。

伝統的な画題を洗練された筆で描き続けた前田青邨。日本画家で人気の作家のひとりです。