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- 林散之の代表的な作品
- 「許瑶詩論怀素草書」「自作詩論書一首」「李白草書歌行」「浦江春修図」「仿任伯年筆意」「仿方蘭坻筆意」「仿展子虔筆意」
作家情報
林散之(Sanzhi Lin)
書道家、画家、詩人 草聖
生没: 1898年-1989年
林散之(1898年-1989年)中国江蘇省に生れる。書道家、画家、詩人。詩書画現代三絶の一人。草聖。
名は霖、以霖、字散之、号に三痴、左耳、江上老人。
林散之は大器晩成の典型と言える。彼の名が世に知られたのは大変遅く、数十年に渡り苦学に励み続けた。
次第に気・韻・意・趣をなど多くの要素は成熟し、いつしか彼の書は非凡な領域へと達し、
趙朴初、啓功とともに、“詩書画現代三絶”と称される。その草書は“林体”と呼ばれ、“草聖”と讃えられた。
その軌跡は現代中国書道芸術事業に大きく貢献し、何にも替えがたい偉大な功績といえる。
1898年 11月20日中国江蘇省南京市に生れる。
6歳の時塾で学び、13歳までの7年間で孔子、孟子の経典及び《春秋左氏伝》《古文観止》《詩経》《毛詩》《唐詩》を読破、作文・作詩し、書を学ぶ。
12歳ですでに隣人のために春聯(大事な祝事に使われる対句)を書く秀才であった。
絵も好み、写生をしたり、《繍像三国演義》《繍像水滸伝》の登場人物を模写し想像力を膨らませた。
13歳で人物画を学び、20歳ころ楷書や隷書などの書の研究を始める。
1930年、30歳で上海へ行き黄濱虹に師事する。黄濱虹は詩・書・画・印に通ずる芸術の大家で、特に山水画においては国内外から評価されていた。
林散之は書画の筆使いや墨の世界について深く学び、多くの見識と技術を習得した。黄濱虹との2年間は林散之の人生に深い影響を示し、大きな転機となった。
1934年、漫遊の中800余りの絵を描き、200首にのぼる詩をつくる。その後も廬山・揚州、黄山などへ旅をし詩画を創作している。
毛沢東政権が発足すると、政治にも参加。副市長を務めるなど要職を歴任する。
1955年、墨淡彩大作《江浦春修図》を完成。直接取材し、自身の身を切るような体験と深い情念により制作。
解放後の中国国画界において、最も早く現実の生活情景を表現した作品といえる。
1963年、65歳で政治活動から退くことを願い出て、江蘇省国画院の絵師となる。
以降、書画創作に専念し、次々と作品を発表。学者・書道家として著名な高二適と交友するなど、芸術家活動に幅を広げる。
1975年、日本書道代表団が南京訪問の際、1編の詩句を書いた巻物を代表団に贈った。
これが後に、“林散之第一の草書”または“国宝”と讃えられる《中日友誼詩》である。
この時日本側の団長だった日本書道界の巨匠・青山杉雨は「草聖遺法在此翁」という詩句を書いた。
1989年 12月6日逝去。
書道作品の代表作に《許瑶詩論怀素草書》《自作詩論書一首》《李白草書歌行》など
絵画作品の代表作に《浦江春修図》《仿任伯年筆意》《仿方蘭坻筆意》《仿展子虔筆意》など
林散之 略歴
| 1898年 | 中国江蘇省で生まれる |
|---|---|
| 1945年 | 印章「左耳」を手がける |
| 1947年 | 国立安徽大学から文学・芸術教授として招聘される |
| 1951年 | 南京江浦県議員に選出される |
| 1962年 | 南京市文学芸術工作者連合会の副主席に就任。「岷江山水図」を手がける |
| 1966年 | 文革期に突入し迫害の対象となる |
| 1973年 | 人民中国雑誌社から「中国現代書道」が発行され一躍有名になる |
| 1979年 | 日本書道家友好訪中団と親交を深める |
| 1989年 | 逝去 |
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