本職の芸術家ではなくとも、教科書に載っているような歴史上の人物の書や手紙の中には、買取できるものや高価買取が期待できるものがあります。
織田信長、豊臣秀吉、伊達政宗など戦国武将の消息(手紙)は掛軸に仕立てられ珍重されてきましたし、同様に千利休を始めとする茶人の消息も茶道の世界で大事にされてきました。明治・大正の文豪の手紙やはがきにもお値段がつきます。
政治家・学者・作家などが手紙や書画を残し、それらが大事に受け継がれているのですが、作品に記す落款には、本名ではない雅号を用いることもあり、作品をお持ちでありながら作家が歴史上の人物だと気づいていないことがあります。
古くからご自宅にある掛軸のサインをもう一度見直してみてはいかがでしょうか。
もしかすると実は歴史上の人物の書だったということがあるかもしれません。
雅号で作品を残し、古美術の世界で雅号で呼ばれることがある人物をピックアップしてみました。
西郷隆盛(西郷南洲)は能筆家として知られ、行草の作品を多く残しています。
宮本武蔵(宮本二天)は、鳥を題材にした画が多く残り、「枯木鳴鵙図」などが有名です。また水墨画の他にも木刀や鍔などの武具を制作しました。
- 南洲:西郷隆盛
- 甲東:大久保利通
- 松菊:木戸孝允
- 東行:高杉晋作
- 世外:井上馨
- 木堂:犬養毅
- 咢堂:尾崎行雄
- 春畝:伊藤博文
- 含雪:山縣有朋
- 青淵:渋沢栄一
- 逸翁、靄渓学人、靄渓山人:小林一三
- 鈍翁:益田孝
- 耳庵:松永安左エ門
- 二天:宮本武蔵
- 三溪:原富太郎
また逆に、一般的には雅号で知られ、本名で記された作品が存在する人物もいます。
書簡などは本名で書かれたものが多く見つかります。
- 新井白石:新井勘解由君美
- 濱口梧陵:濱口成則 / 7代目濱口儀兵衛
- 吉田松陰:吉田寅次郎矩方
- 勝海舟:勝安房守義邦 / 勝安芳
- 夏目漱石:夏目金之助
- 森鴎外:森林太郎
雅号は作家によっては、年代などで複数を用いることもあり、作品の真贋の判定は目利きにお任せいただければと思います。
そもそもサインが読めない作品などが気になる掛軸がお手元にございましたら、ぜひお気軽に古美術永澤にお問合せください。